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2010年8月

2010年8月30日

秋探し

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 いつのまにか田んぼにはこんなに穂が出ている。

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 あっ、でっかいトンボだ!

 「暑い・・・・・」
今年の夏は、何度つぶやいたのだろう・・・・・・。もしかしたら過去最多を記録するかもしれない。同じ言葉を何度口にしたかが判る歩数計ならぬ言葉計があればいいのに・・・・・・・つくづく思う。
 
  ゆうきにしては珍しく早い時間帯に家事を終わらせることが出来た昨日、ふと思い立って一人ドライブをした。もうすぐ九月だというのに日差しはかなり強い。
 車を走らせてまず最初に目に付いたのが穂が出始めた田んぼ。
「秋だ~!」
心の中で叫び、車を脇に寄せ、撮影した。田んぼを写真に収めた瞬間、目の前を何かが横切った。トンボだ!こちらは穂のようにはいかない・・・・・何しろ動いているのだから・・・・・・。今日はこんな時、頼りになるはずの彼もいない。撮れるかどうかは自分次第。ゆうきの胸は高鳴った。シャッターを押した瞬間逃げられ・・・・・を何度か繰り返しようやくようやく収めることが出来た。
「ふぅ~・・・・・・・」
額の汗をぬぐいながら一人微笑んだ。 
 人が感じることがない微妙な季節の移ろいを、人以外の生き物たちはこんなにも敏感に察知している・・・・・・。ちょっと感動した。 一人ドライブをして良かったな・・・・・。身近な場所に秋を発見できたことに満足して家路に着いた。

 娘は、今日より二学期が始まった。朝が苦手な彼女は朝食もそこそこに家を飛び出していった・・・・・・。ゆうきの日常は現実色に染まりつつある。
 

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2010年8月28日

夏の終わり

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 火祭り・・・・・富士山の山じまいを告げるお祭りそして日本三大奇祭の一つです。

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 ゆうきたちが訪れた時間帯、イベント広場では太鼓の演奏が行われていました。胸に響く迫力ある演奏でした。

 吉田の火祭りは、ゆうきにとって花火大会と並ぶ夏のイベントだ。物心着く頃から毎年のように足を運んできた。小さい頃は両親に手を引かれ、少し大きくなってからは友達同士で。楽しみで楽しみで仕方なかったお祭りにもかかわらず、いつの間にか毎年とはいかなくなった。仕事が忙しい事を言い訳に。子供が小さいのを言い訳に。気分があまり乗らないことを言い訳に。
 今年は、夫が誘ってくれたのでいく気になった。彼はゆうきと娘を連れて行きたいがために夕食の準備まで手伝ってくれた・・・・・。

 三人でブラブラ歩き会場へ。
家を出た時は三人きりだったのが会場に近づくにつれ段々と人が増えていった。徐々に大きくなるざわめきと、ほのかな火の粉の香りが、居合わせた人々を祭りの世界へと誘った。
 立ち並ぶ露天、行き交う人々、燃え盛るタイマツ・・・・火祭りは見どころ満載。何度も来ているはずなのに、初めて来た様な錯覚に襲われる。見慣れた通りはいつもと全く違っていて日常を探すのが難しい。行き慣れた洋品店や時折見かける知った顔さえも普段とは変って見えるから不思議だ、彼も娘もゆうきも、ほとんど会話を交わすことなく、まるで夢を見ているかのような幻想的な雰囲気に酔いしれた。

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 祭りから一夜が明けた空。

 火祭りが終わると夏が終わり町は秋色に染まり始める。祭りの後のなんとも表現しがたいほろ苦さと秋を迎える充実感を今、同時に噛み締めている。

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2010年8月25日

蓮の花

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 一面の蓮の花

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 だいぶ盛りは過ぎていたけれど、それでもちらほらと咲いていてくれました。

 地元の蓮の名所、通称”蓮池”。ここを訪れるのは何年ぶりだろう。母の実家がすぐ近くなゆえに何度か連れてこられたはずなのだが、一番最後に来たのが、果たしていくつの時なのか思い出せない。ただ、ゆうきの胸の奥にある蓮の花の楚々たる印象は幼き頃に焼き付けられたものであることだけは確かだ。
 娘が志望校のオープンスクールに参加したために出来た夫婦の時間、密かな念願だった蓮池にようやく足を運ぶことが出来た。

 「泥沼をくぐりて清き蓮の花」 中学校の修学旅行で、薬師寺を訪れた際、僧侶から教えられた句である。
「権勢や利益、豪奢なるものに最初から近づかない人は清潔である。が、もっと上を行く人がいる。そういうものに近づいたとしても染まらない人こそが一番、清潔なのだ。」
句を読み上げた後、僧侶は教えを説いた。「泥沼をくぐりて清き蓮の花」 思春期の胸に沁みた。その日一日、何度も何度もこの句を繰り返し呟いた。あの時の、説法は四半世紀以上が経過した今でも心に根付いている。

 世の動きや蓮池周辺の景色は変れど、蓮の花の姿かたちは、幼い頃の印象そのままだ。泥水の中にあり泥水を吸って生きているのにもかかわらず清楚で凛としている。
 世知がない世の中、常に清い環境にばかり身をおくことは不可能だ。周りの人達がみんな良い人とも限らない。だが、そういったものに流されることなく、強い意志を持ち、ゆうきらしい自身であり続けたい。何年かぶりかで見る蓮の花を見て思った

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2010年8月23日

南瓜マジック

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 南瓜ケーキを作りました。まずは上から。

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 切り分けてみると・・・・・・

 野菜を使ったお菓子を作ることが出来る人って憧れる。ゆうきもいつか作ることが出来たなら・・・・・ずっと思っていた。憧れだけに留まっていたことに、この夏ようやく挑戦する気になった。両親が丹精込めた南瓜がそっと背中を後押ししてくれた。
 野菜を使ったお菓子を作るのは初めて。出来れば失敗はしたくない。本屋さんでスイーツ関係の本を読みあさり(立ち読み)、ネットでも検索して何を作るか及びどんな方法が良いかを検討した。南瓜を使ったお菓子ってこんなにも種類があるのか・・・・・正直驚いた。
 数ある南瓜スイーツの中から、ゆうきが選んだのは、失敗する可能性が低い南瓜ケーキ。レシピを叩き込んで調理開始。とは言っても、いつものスポンジ生地に裏ごしした南瓜を練りこんだだけなのだが・・・・・。南瓜を切っている段階から、今回はいけるかもと思えた。
 
 やがて・・・・・キッチン全体にと言うより家中に南瓜の香りが広がった。
「う~ん、いい匂い。ねえ、ねえ、何作っているの?」
例によって?我が家一番の食いしん坊さんである娘が近づいてきた。
 オーブンから出して荒熱が取れた頃を見計らって粉砂糖をふりかけ出来上がり。
「美味しい!南瓜がお菓子になった。南瓜マジックだね!」
焼きたてのケーキを頬張りながら娘は興奮した声で叫んだ。

 ケーキを食して数時間。娘は黙々と机に向かっている。娘のやる気を引き出せたとしたなら、今回の南瓜ケーキは、マジックと言えるのかもしれない。


 

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2010年8月21日

あついにゃ~

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 二人(二匹)連れ添って・・・・・

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 涼んでいる?

 数日前は朝から強い日差しが照りつけていた。何もしなくとも汗がじっとりと滲んできて、それでも何とか気力を振り絞って家事を進めた。遅めの朝食を済ませ、一息着いていたら外から「にゃ~、にゃ~」と数匹の猫の鳴き声がした。
「あ~猫だ~」
娘と顔を見合わせた。ベランダに出てみると二匹の可愛らしい猫が。周りを気にする様子もなく、しきりに
「にゃ~、にゃ~」
「んにゃ~にゃ、」
と会話を交わしていた。 どこから来たんだろう?この辺りはノラちゃんが多いが、見るからに違う種類の猫がお互いを威嚇することなく一緒にいるところを初めて見た。二人(二匹)はどういう関係なのかしら?何の話をしているのかしら?色々な思いが駆け巡り目が離せなくなり、娘にデジカメを持ってこさせ、しばらくその場に待機した。
 二匹の猫ちゃんたち、ひとしきり会話を交わした後、二匹連れ添って車の下にもぐってしまった。ありゃりゃ~これじゃ、写真が撮れないや。ゆうきは、追っかけのごとく外へ出た。    そぉーっと、さっきの車の下を覗くと・・・・・・居た、居た、随分とくつろいでいる。二匹がどういう間柄かはわからないが仲が良いことは間違いないようだ。今日は出かける予定もないし、邪魔しちゃ悪いからそのままにしておこう・・・・・・。ゆうきは部屋に戻ることにした。
「ねえ、ねえ、どうだった?」
玄関を入ると娘が聞いてきた。気にしててくれたんだ・・・・・・。気持ちがほっこりした。
「車の下で涼んでいるみたいだから、そのままにしてきたよ。」
「うん、それでいいかも。猫だって暑いよね~。」
「出かける予定がなくてよかったね。」
「うん、ゆっくり出来るといいね。」
娘はにっこり微笑んだ。二匹の可愛らしい猫ちゃんのおかげで、気だるくなりそうだった朝に潤いが生じた。

 あれから、一度もあの猫たちを見かけていない。今頃どうしているんだろう?ゲリラ豪雨に猛暑、彼らを取り巻く環境は苛酷だ。
けど、けど、そんなものに負けずに何処かで逞しく生きていて欲しいな。二匹の仲良し猫ちゃんたち・・・・・・。

 

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2010年8月18日

お盆休みに

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 蝉・・・・・・夫 撮影 

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蝉・・・・・ゆうき撮影

 今年の夏はとにかく忙しい。娘は受験生で、夏期講習及び補習授業、宿題その他もろもろに追われ、彼は彼で春以来忙しい日が続いている。夏を満喫しようにもなかなかままならない。こんな夏休みは初めてだ。
 16日は、お盆期間中唯一のお休みのはずだった。彼自身もどこかへドライブに連れて行こうと思っていたらしい。が、まさかの休日出勤。毎度のことではあるけれど、がっくりした。
彼は三時間ほどで仕事が終わると言う、彼のその言葉を信じ、娘と共に職場に向かう車に便乗した。時間を潰す場所なんていっぱいある。
 

 娘と二人、ショッピングセンターを冷やかし、昼食を摂って、のんびり散歩を楽しんでいたら彼から着信があった。三時間ぴったり。珍しく時間通りだ。下手したら夜まで待つことになるかもと思っていた母娘の心は踊った。
 そのまま合流して、特に目的地を定めることなく車を走らせた。
「どこに行く?」
「う~ん、どこでもいい~。」
「・・・・どうしようかな~。」
考え抜いた末にたどり着いたのは、一度も訪れたことがない公園だった。

 ジージーと言う蝉の鳴き声。声はすれど姿は見えず・・・・・キョロキョロしていたら
「デジカメ貸して!」
彼の手が伸びてきた。視線の先をたどると・・・・・。 あっ・・・・・止まってる! 絵本などに登場する蝉みたい・・・・・って思った。難なく撮影成功。それで終わるのかと思ったら、こともあろうか、彼は木によじ登る形で蝉を捕まえてしまった。
「ホラ!」
羽をなでてみたり、指を這わせてみたり・・・・・少年のごとく得意げに瞳を輝かせながら一心にもてあそんだ
「もう、逃がしてやろうよ。」
黙って見守っていた娘が諭すように言った。普段、虫と言うとキャーキャー騒ぐばかりなのに・・・・・優しいじゃん・・・・・心の中で拍手した。彼は我が子の言葉に素直に従い蝉を放した。
蝉の登場で、我が家の半日足らずのお盆休みが有意義で実りあるものとなった。
蝉さん、ありがとう!もう捕まっちゃダメだよ!元気でね。
大空高く飛び上がった蝉に密かにエールを贈った。

蝉の命は儚い。この日が地上へ出て何日目なのか定かではないが、外敵に襲われることなく自然災害に遭うことなく天寿をまっとうしてほしい・・・・・・心から思う。

 

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2010年8月16日

別腹

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 皆さんの故郷及び今住んでいる所では、上の写真の食材を何と呼ぶのだろう?

 ゆうきの地元では、モロコシと呼ぶ。物心着く頃からモロコシと呼んでいて、それ以外の呼び名があるなんて結婚するまで思いもしなかった。ちなみに夫の故郷では”トウギミ”と呼ぶ。新婚当初、夏に彼の実家に帰省した祭、
「トウギミがあるから食べるか?」
と義母が声をかけてくれた。”トウギミ”?どんな食べ物なんだろう・・・・・・ワクワクしながら待っていたら出てきたのは茹でたモロコシだった。「同じ食べ物でも別の呼び方があるんだ・・・・・」 心底驚いた。

 モロコシって不思議な食材だと思う。お腹がいっぱいでも食べられる。子供の頃、ゆうきの実家でもモロコシを栽培していた。蒸したモロコシは食後に出されることが多くて、家族みんなで競うようにモロコシにかぶりついた。当時は”別腹”なんて言葉は知らなかったが、ご飯とモロコシが入る場所は違うと本気で思っていた。モロコシを食べた後の満足感は、なんとも言えず心地好かった。
実家では、当の昔に作らなくなったモロコシを先日、知人に頂いた。

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  彼は今でも頑固に”トウギミ”と呼び続けている。
 
 思っても見なかった贈り物が嬉しくて、その日のうちに茹でて夕食後に出した。彼は
「えぇ~っ、もう食べれないよ~。」
 などと文句を言いつつ嬉しそうにかぶりつき、完食した。呼び方は違えど、モロコシが別腹であることは共通しているらしい。ゆうきの中に、懐かしい満足感が広がった。

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2010年8月14日

美味しいよ

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 材料は小芋の他、だし汁 砂糖 味噌 水溶き片栗粉

 新じゃがの季節。数ヶ月前に去年収穫したジャガイモを食べ終わって以来ずっと待ちわびていた。ジャガイモが新鮮で皮が薄いこの時期に、ぜひ作って、夫や娘に食べさせたかった一品があった。ゆうきが幼い頃から慣れ親しんできた煮っ転がしだ。ゆうきの思いを十二分に理解している母は、普段の料理に使う普通サイズのジャガイモのほかにピンポン玉サイズの小芋を別にして持たせてくれた。

 煮っ転がしを作るのに皮を剥く家庭も多いと思うが、ゆうきの実家では皮付きのまま使う。まずは流水でよく洗い泥を落とす。(根が気になる人は包丁でくりぬいてください。)ザルに上げ水切りをしたらサラダ油で炒める。芋に油が馴染んだところでひたひたのだし汁を入れる。

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 だし汁と一緒に砂糖や味噌などの調味料を入れるのがポイント。こうすることでジャガイモの芯まで味がしみ込む。 このまま蓋をして中火でじっくりと煮込む。
 迎え盆の昼下がりキッチンは、芋を煮るコトコトと言う音とちょっぴりほろ苦い香りに満ちた。こうしていると、子供の頃に返ったような錯覚を覚える。

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 ジャガイモに火が通り煮汁が少なくなってきたら、水溶き片栗粉を投入、全体によくからめたら出来上がり。 熱々でも冷めても美味しいです。

煮っ転がしをもう何度、食べたのだろう・・・・・・。新じゃが料理は様々だが、ゆうきの中の一番はやはりこの皮付きの煮っ転がしだ。田舎臭いけれど味わい深い、オシャレではないけれど素朴で気持ちがほんのりする。

 「美味しい・・・・・癖になる」
二人は、実に嬉しそうに煮っ転がしを頬張った。
煮っ転がしは思い出の一品でもあるし、自慢できる一品でもある。

 

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2010年8月11日

うぁ~!

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 ここは市場ではない・・・・・・実家の玄関先だ。いったいいくつあるのだろう。

 夫 「おぉ~!」
 娘 「わぁ~おぉ~うぅ~!」
 ゆうき 「・・・・・・・・」
 以上が実家に足を踏み入れた瞬間、三人がとったリアクションである。びっくりしすぎて言葉にならなかった。日頃から大切にしようと心がけている挨拶さえ忘れてしまった。そう言えば、訪れる数日前に電話した時、
「今年は南瓜が採れすぎてしまって・・・・・・・」
と母がこぼしていた。 
「ふ~ん、そうなんだ~」
と生返事を返したゆうき。だってこんなにすごいと思わなかったんだもん! あんぐりと口を開けて南瓜の山を見つめる三人を見て、
「すごいでしょう~!」
誇らしげにうなずいた。いったい何個あるのかしら?数え始めたが途中でわからなくなってやめた。
 
 高血圧気味の父の体を母はいつも気遣っている。南瓜は体に良いから・・・・・・安心安全な南瓜を手に入れるため、いつも奔走していた。親戚に栽培してくれるよう頼んだり、知人から貰ったり、ゆうきが北海道に住む義妹から送ってもらったこともある。ずっと、ずっと他力本願だった南瓜を今年は、自分たちで作ることにした。わざわざ大阪の堺市から種を取り寄せて・・・・・・・。初めて栽培するのだから、上手くいかなくて当たり前、数個収穫できれば上出来だろう・・・・・と思っていたらしい。が、予想に反して?南瓜は数え切れないほど実をつけた。父の体を気遣う母の思いが天に通じたのかもしれない。
 一緒に囲んだ昼食の席で南瓜サラダを食べた。ほくほくしていてほんのりと甘くて・・・・・・この南瓜を食べ続けたらスーパーの南瓜が食べられなくなるかもしれない・・・・・・って思った。とてもじゃないけれど初めて栽培したとは思えない。母が南瓜のことばかり話すものだから、あと少しで仏様に線香をあげることを忘れるところだった。

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 母は当然のごとく、南瓜を持たせてくれた。置くところがないから一個で良いというのに二個も。食べ終わったらまたくれると言った。
 何を作ろうかな・・・・・おかず系だと煮物に天ぷら、コロッケ・・・・・おやつ系だと、パンプキンケーキにスィートパンプキン・・・・・・etc. 今まで作ったことがないものにも挑戦してみようと思う。両親の汗と熱い思いの結晶・・・・・美味しく頂きたい。  

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2010年8月 9日

背比べ

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 一面の向日葵畑。

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 アップにしてみたら・・・・・。あっ、蜂さんがいる。

 某映画の舞台となった向日葵畑へ、もう何度、足を運んだのだろう・・・・・・・。一度、行っただけで虜になった。まるで外国の風景みたい・・・・・って思った。
 一昨年は彼の天候と彼の休日との折り合いがつかず行けなかった。去年は行くことは行ったが、観光客がいっぱいで駐車場に入れなかった上に雨に降られ、向日葵を見ることは叶わなかった。ずっと、ずっと、行きたいと思っていた。まるで恋焦がれる少女のごとく、夢にまで見ていた。
 朝から、澄み切った青空が広がった日の昼前、
「今から、高速に乗って、向日葵見てくるか?」
と彼が言った。

 向日葵と言うと小学校二年生の頃を思い出す。自分で種を蒔き、ひたすら成長を待ち望んだあの頃を。ゆうきの植木鉢は、他の同級生たちと比べて、芽を出すのが遅かった。「私の蒔き方が悪かったから?水をあげすぎたのかしら?土の中で種が腐っていたらどうしよう・・・・・・」随分と思い悩んだ。悩んで悩んで、「早く芽が出ますように。」と近くの神社でお参りまでした。芽はなかなか出ず、危うく登校拒否になりかけたころ、ようやく土の中から緑色の双葉が顔を出した。ゆうきは飛び上がって喜んだ。嬉しかった。小さな小さな葉っぱがたまらなく愛おしかった。
 その後、同級生たちの向日葵に比べてやや遅いながらも順調に成長していき、夏休み前には、家に持ち帰ることが出来た。向日葵は、祖母が植木鉢から庭先へ植え替えてくれた。ゆうきは、一日に何回も向日葵の観察をした。向日葵は、地面に植え替えられたことで息を吹き返したかのように生き生きとして、茎もドンドン太くなり、まずは弟の背丈を追い越し、ゆうきの背丈を追い越し、ついには家で一番背が高い父をも越した。「あんなに小さい芽だったのに・・・・・・・」 脚立に乗って大輪の花を愛でながら生まれて初めて”生命力”と言う言葉を意識した。

 向日葵の写真を撮りながら、ふと脇を見ると、花柄のワンピースを着た女の子が一心に向日葵と背比べをしていた。女の子とあの頃の自分が重なって胸が熱くなった。
 

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2010年8月 7日

永遠

 一昨日、ゆうきは朝から携帯が鳴ることをひたすら待っていた。8月5日は地元の花火大会。休日の予定だった夫が、仕事の都合で急きょ出勤することとなった。
「頑張ってなるべく早く終わらせるから。終わったらすぐに電話するから。」
 朝食もそこそこに彼は出かけていった。毎年この日だけは休みを取っていたのに・・・・・・こんな年は初めてだ。「ひょっとら、行けないかも・・・・・・・。」 不安が胸をよぎった。
 掃除、洗濯といった家事をいつも通りに進めて、昼前までには買い物まで済ませた。が、彼からの電話はまだない。不安がどんどん広がり焦燥感までもが加わり、たまらなくなって彼の携帯にコールした。
 「ごめん・・・・・終わりそうもない。行けないかも。」
申し訳なさそうにつぶやく彼にかける言葉が見つからなかった。
 「仕事じゃしょうがないよね・・・・・・・。」
涙目になった娘にと言うよりも自分自身に言い聞かせた。不平一つ漏らさない彼女を心底、不憫に思った。母娘、それぞれの方法で気持ちを奮い立たせ、そろそろ立ち直るかに思えた頃、ゆうきの携帯が鳴った。

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 ゆうきたちが腰を落ち着けると同時に花火が始まった。一時はどうなることか思ったがどうにかこうにか間に合った。今、この瞬間、自分がここにいられるのが信じられなくて頭がぼーっとする。念願が叶ったんだから・・・・・デジカメを構えた。

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 次々に打ち上げられる花火・・・・・。声を出すことも忘れて、ただただ見入った。
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花火ってやっぱりいい・・・・・・・。でも写真に収めるのは難しい・・・・・・。

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 花火大会のクライマックス。湖ならではの孔雀花火。この頃になると視界がぼやけて仕方がなかった。人間って綺麗なものを見ても感動するんだね。

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 名物のナイヤガラの滝を最後に花火大会は幕を閉じた。ゆうきは花火大会が終わっても、しばらく、その場を動くことが出来なかった。
 今年も訪れることが出来て本当に良かった・・・・・。眼鏡越しの疲れた瞳に心からの 「ありがとう!」 を贈った。 

 不安に始まり最後は感動に終わった今年の花火大会・・・・・色々な意味で永遠となりそうだ。

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2010年8月 4日

発展途上

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 初めて焼いたロールケーキ。かなりいびつな形をしています。

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 切ってみると、いびつなのがますます際立つ。

 正直言って、生地にするかどうか随分と迷った。ロールケーキを焼いたのは良いが、あまりにも形が悪かったから・・・・・・。ゆうきにしては珍しくきちんと材料の分量を量り、レシピ通りの手順を踏んだのに・・・・・・・。自らに、「何これ?」と問いただしたくなる出来栄えに少々落ち込んだ。

 ロールケーキは前々からずっと焼いてみたいと思っていた。思ってはいたが日々の生活に追われてなかなか実現できずにいた。
 朝から妙に蒸し暑かった昨日、早番出勤の夫を送り出した後、時間が空いた。前日、深夜まで机に向かっていた娘は起きてくる気配すらない。焼くなら今かも。ゆうきは早速、作業に取り掛かった。レシピならすでにそらんじることが出来るくらい頭に入っている。念のため本を見ながら生地を作った。型に入れて均等にならしてオーブンレンジへ。綺麗に焼けると思っていた。失敗するはずがないと思っていた。が、予想に反して生地がほとんど膨らまなかった。二回目、三回目も同じ。やはりベーキングパウダーを入れるべきだったのかそれとも卵のあわ立て方が足りなかったのか・・・・・・・。生クリームを塗りキウイフルーツを乗せて巻いてみたけれど、普段目にするロールケーキとは程遠い・・・・・・・。一応、デジカメに収めたものの、後はどうでもよくなり、テレビの前でごろんと横になった。
 
 「へぇ、ロールケーキ焼いたんだ~。」
いつの間にか起きて来た娘が声を上げた。えっ!ロールケーキに見えるの?少しだけ立ち直った。不安そうな顔をするゆうきを尻目に、彼女は朝食もそこそこにロールケーキにかぶりついた。
 「美味しいじゃんこれ!味は売っているのと変わらないよ!」
その一言に救われた。娘が選んだのは出来の悪いケーキ。
「何で、それを選んだの?」
との問いかけに
「だって、これが一番でかいんだもん!」
笑顔で答えた。口いっぱいに頬張る娘に刺激されて、ゆうきもつまんでみた。
「うん、悪くないかも・・・・・。」
何かと失敗も多いけれど、お菓子作りはこれだからやめられない。

 この夏休みは、いつもの年と違う。受験生である娘はとにかく忙しくて・・・・・・・。ゆうきがこの記事を打っている瞬間も塾に缶詰だ。塾から帰った後は、夕食を摂りお風呂に入って、予習復習・・・・・・。親として出来ることは、結局のところ見守ることだけだ。
 娘は只今、成長の発展途上。ゆうきのお菓子作りの腕前も発展途上。娘の目標はとりあえず志望校合格。ゆうきの目標は綺麗に仕上がったロールケーキをブログに載せること。目標達成までお互いがんばろう!

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2010年8月 2日

百日草

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 昨日、国道沿いの公園を通りがかった際、色鮮やかな花たちが目に飛び込んできた。
 「うぁ~、百日草だぁ~!ねえ、止めて!」
車が停車するや否や、デジカメを手に飛び出した。ほんの数ヶ月前、通りがかった時は何も植わってなかったのに、いつの間にこんなに・・・・・。しかも、それが幼い頃から慣れ親しんできた懐かしい花、百日草だ。ゆうきの心が躍らないはずはなかった。

 ゆうきにとって、思い出深い草花は数多いが、百日草もその一つだ。向日葵や朝顔は、学校から持ち帰った年にしか庭先を彩ることはなかったが、百日草は違う。物心つく頃から毎年、目にしてきた。
 園芸を趣味としていた祖父の育てる百日草は、とにかく大輪で形が整っていて色鮮やかで全く非の打ち所がなかった。親戚の家や公園、近所の庭先でも見かけることが多かったが、「うちの百日草が一番。」と密かに思っていた。実際、学校の友達の手を引っ張って畑まで連れて行き見せたこともある。百日草はとにかく我が家で大活躍。家の中に飾られることはもちろん、お墓参りの際には必ず持参されたし、夏休みの宿題である押し花では、数ある草花を押しのいてメインとなった。家族総出でお墓参りに行く時、ゆうきは必ずと言って良いほど、百日草を持ちたがった。花を愛でる少女を気取るより 「うちの百日草は、こんなにきれいなんだぞぉ~!」って自慢したい気持ちの方がずっと大きかった。夏休み明けにクラスメイトの前で押し花を披露する際は、他のページをすっ飛ばして、すぐにでも百日草のページに行きたい心境だった。大人になった今も百日草を見ると祖父の誇らしげな笑顔を思い出す。
 

 百日草の花言葉は”遠くの友を思う”
 ゆうきに百日草を自慢された友人Fちゃんは、小学校卒業と同時にほとんど交流がなくなってしまったが、風の便りに遠くの地に嫁いだと聞いた。彼女の住む地には、百日草は咲くのだろうか。元気かな?元気で幸せに暮らしているといいな。

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