日記・コラム・つぶやき

2024年9月 9日

今年はこれでおわり・・・・・

 お昼過ぎ、リビングでくつろいでいたら、電話がかかってきた。
実家の母からだ。

 受話器をとるやいなや、母は言った。

 「トマトが採れたけど、いる?」
「いるいる~っ!」
ゆうきも即答だ。
すぐに受話器を置き、家の鍵とスマホだけを持って外へ飛び出した。

 実家の両親はただいま80代半ば、
色々言い草を言いつつも、マイペースに畑仕事に精を出している。

 実家のダイニングテーブルには、大きなザルが置いてあって、
ザルにはミニトマトがたくさん並べてあった。

 「好きなだけ持っていって良い」
と母が言うのでお言葉に甘えさせてもらった。

 実家のミニトマト
両親が丹精込めて栽培したミニトマト
美味しいんだ、これが。
彼も娘も、喜んで食べる。

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 品種は何だっけ?
聞いたけれど忘れた。

 「もう、今年はこれで終わりだ・・・・・」
母はつぶやくように言った。

 ミニトマトを袋に入れつつ、寂しい気持ちになった。

  7月に入った辺りから何度ももらいに行った。
ほどよく熟した真っ赤なミニトマトが食卓に彩りを添えた。

 これで最後か・・・・・
味わって食べなきゃな~・・・・・

 食卓も夏から秋へと移ろいを遂げようとしている。

 

 

 

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2024年9月 6日

秋の音色

 黄昏時・・・・
どこからともなく聞こえてくる虫の声。
コオロギ、キリギリス・・・・・・・
我が家の庭にはいったい何種類の昆虫が生息しているのだろう。
昨年も賑やかだったが、今年は昨年以上に賑やかだ。
草むしりをしないことが功を奏しているのか。
それとも何か別の理由があるのか。
兎に角、賑やかだ。
窓を開けなくともかすかに聞こえる。
窓を開けたならば、家中に虫の声が木霊する。
外へ出たならば、虫の声に、体中、包み込まれる。
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 どこに潜んでいることやら・・・・・
あえて探さないでおこう。

 せっかくの存在。
季節限定の存在。
思う存分堪能したい。

 虫の声が耳と心に響く。
あまりに心地よい声だ。
声と呼ぶより音色と呼んだ方が良いかも。
虫の音色、秋の音色だ。

 夏から秋へ
季節は着実に移ろいを遂げている。

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2024年9月 4日

有り難い

 今日も無事に朝を迎えられた、なんて有り難いのだろう。
目が見える、なんて有り難いのだろう。
耳が聞こえる、なんて有り難いのだろう。
朝目覚めたら、ご飯が炊ける匂いがした、なんて有り難いのだろう。
起床したならば、まず最初にシャッターを開けて、外の様子を確かめる。
シャッターを開けた瞬間、もわっとした熱気に包まれた。
今日も暑くなりそうだ。
暑さ寒さを肌で感じられるなんて有り難いのだろう。
我が家の朝ご飯は和食、もう何年続いているのだろう。
ご飯が美味しい、味噌汁が美味しい、漬物も美味しい。
朝っぱらから自画自賛。
なんて有り難いのだろう。
お腹が空く、歩ける、眠くなる、なんて有り難いのだろう。
楽しみにしている番組がある、読んでいる最中の小説がある、行きたい場所がある、なんて有り難いのだろう。
大切に思う人がいる、大切に思われている実感がある、なんて有り難いのだろう。

 昨日、ゆうきは誕生日を迎えた。
今年も無事に誕生日を迎えられた。
50台後半戦突入。
なんて有り難いのだろう。

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 夜には一家3人ケーキを囲んだ。
彼は笑顔だった。
娘も笑顔だった。
ゆうきも精一杯笑顔を振りまいた。
家中が笑顔であふれた。
なんて有り難いのだろう。

 この世に生を受けて50年余り
悲しい思いをたくさんして
辛い目にも遭って
うまくいかない日もたくさんあって、
だからだから、世の中に当たり前の事なんて絶対ないことを嫌と言うほど認識している。

 生きていられること自体、有り難い。

 明日を迎えられたらもっと有り難い。
1年後の誕生日を迎えられたらもっともっと有り難い。
誕生日を祝ってくれる存在がいたならば、もっともっともっと有り難い。

 有り難さに感謝だ。

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2024年9月 2日

炊飯器が壊れた

 炊飯器が壊れた。
唖然びっくり大慌て大騒ぎになった。
炊飯器の内釜と内蓋を洗っている時だった。
内蓋のパッキン部分が破れてはずれ、内蓋が炊飯器本体にはめられなくなった。
ヤバい・・・・・壊しちゃった。
青くなった。顔に縦線が入った。冷や汗が流れた。

 「どうしよう~!」
ゆうきの絶叫が家中に木霊した。

 何事かと、彼は目を丸くした。
彼が破れて外れたパッキンをどうにかしようと試みたがどうにもならなかった。
次の日は仕事だ。朝ご飯にお弁当、ご飯を炊かないわけにはいかない。
あいにく、パンもなければ非常用のパックご飯も家にはなかった。
騒いだところでどうにもならない。
時間は夜の7時少し前。
自宅最寄りの家電量販店まで夫婦ふたりして滑り込んだ。

 台風10号の影響で市内には大雨警報が発令されていたが、
幸いにも店は開いていた。
さすがに店内は閑散としていたが。
夫婦ふたり小走りで、炊飯器コーナーに直行した。

 それにしても・・・・・・・
近年は炊飯器ひとつにしても実に様々だ。
ずらりと並ぶ炊飯器の数々に、目を見張った。

 ああでもないこうでもない・・・・・
彼と協議して、機能的にもお値段的にも手頃な炊飯器を購入して帰宅の途についた。

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 帰宅早々、早速米をとぎ、明朝3時にご飯が炊けるようセットした。

 次の朝、目覚めた時にはご飯は炊けていた。

 新しく購入した炊飯器は、今までの炊飯器よりも、グレードがかなり高いはずなのだが・・・・・
彼、娘、ゆうき、一家の誰ひとりとして、味の違いがわからん・・・・・のであった。

 とんだ騒動であった。
とんだ出費でもあった。

 8月最終日、夏の終わりの出来事であった。

 

 

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2024年8月30日

どこかへ行って欲しい・・・・・。

 突然、土砂降りになったと思ったら、数十分後には日が差す。
日が差して、アスファルトが乾き始めた頃、また土砂降りになる。
降ったりやんだり、日が差したり・・・・・・もう何度も繰り返している

 おかしな天気だ・・・・・

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 富士山は、昨日の午後から厚い雲の向こう側にある。

 パソコンに向かっている今は、お外は静かだが、数分後はどうなっているのやら・・・・・・。

 今夜は荒れるのか、それとも穏やかなのか。
明日、彼が、出かける時は、どうなっているのか。

 空模様の変化を予測するのは非常に難しい。
運転中に土砂降りになることたびたびだ。

 土砂降りの中の運転は大変だ。
お空からはものすごい勢いで叩きつけられるし、
地面は川と化すし・・・・・・。
視界が悪くなる。
ブレーキの効きが悪くなる。
怖いったらありゃしない。
目を凝らし、耳を研ぎ澄ませ、神経をとがらせ。
まさしく命がけだ。
出かけなければ良いだけの話だが、出かけなければいけない事情がある。
無事に行って来られた暁には、全身汗びっしょりになる。

 昨夜は、土砂降りの中を運転した。
本当、怖かった。

 今日も運転したけれど、土砂降りには遭遇しなかった。
明日はどうなのだろう。

 台風10号は、どれだけ広い範囲に影響を及ぼすのか。
台風10号は、どれだけ人々を脅かすのか。
台風10号は、いつまで日本列島に居座るつもりなのか。

 お天気に文句を言っても仕方ないけれど、腹立たしく思う。

 

 本当、お願い差から、頼むから、
さっさとどこかへ行って欲しい。

 

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2024年8月28日

スコール?

 車が曲がり角を曲がったら、
目の前は靄っていた。
道の両側は林で
右側の林から左側の林まで、空から幕を下ろしたかのように靄がかかっていた。
靄の幕までほんの数メートルしかない。
避けようがなくて、車は靄の幕に突っ込んだ。

 途端にものすごい雨に叩きつけられた。
まるで滝壺に車が突っ込んだかのようだ。
冗談抜きで車を壊さんばかりの勢いだ。
前が見えない・・・・・
びっくりしすぎて、怖すぎて、
頭の中が真っ白になった。

 ハンドルを握る彼は、ゆうきよりもずっと冷静だった。
「どっか駐車スペースを見つけて止まって、雨をやり過ごそう」
が、しかし、前方はもちろん、右を見ても左を見ても水の柱しかしか見えない。
どうしよう・・・・・
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オロオロと前方を見据えたら、
突然、雨足が弱まり、10メートル進まないうちに雨が止んだ。

 進行方向がはっきりくっきり
左右の林もはっきりくっきり見ることができる。

 「何だったんだろう、今のは・・・・・」
声に出してつぶやいた。

 局地的な豪雨?
線状降水帯?
雨柱?
雷は鳴っていなかったと思う。

 距離にしてどのくらいだったのだろう。
時間にしてどのくらいだったのだろう。


 しばらく呆然として
後から恐怖が押し寄せてきた。

 局地的な豪雨?
線状降水帯?
雨柱?
もしも抜け出せずにいたら、今頃どうなっていたのだろう。

 何事もなかったのは、
奇跡に近い幸運だったのかもしれない・・・・・。

 自然の驚異に人は太刀打ちできないことを改めて認識している。



 

 

 

 

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2024年8月26日

久々の海

 海に行きたい・・・・・
海が見たい・・・・・・
夏の初めからずーっと思っていた。
思っていたけれど言い出せずにいた。
彼は激務だ。
娘も色々と忙しそう。
わがままは言えない。

 でも、でも、行きたくて・・・・
海が見たくて・・・・・・
ネットで検索したり、ひとり密かに海へと思いを馳せたりしていた。

 7月中は、公私ともに忙しくて
8月に入っては問題続出で、
夏の日々は瞬く間に過ぎていった。

 今年の夏は、海を見ないまま夏が終わるのか。
夏らしいこと何かしたっけ?????

 空しい日々を過ごした。
20日を過ぎれば、彼は3日間の連休がとれるとのことだったが、
どうせ休めないに決ったら~!
って心の中で悪態をついていた。

 連休1日目
彼は家にいた。
待てど暮らせど出勤する様子はなかった。
夜になって
「明日も明後日も出勤しないから。」
彼は言った。
よかった~・・・・・
心底、思った。
異動になって以来初めての連休だ。
幸運なことに娘も連休に入っていた。
一か八か言ってみた。
「お出かけしたい。」
って。
彼は快く承諾してくれた。

 休みだからと言って、彼も娘もゆうきも寝坊しなかった
7時前には起床して、朝ご飯食べて、それぞれに所用を済ませて、
車に乗り込んだ。
久々の3人揃ってのお出かけだ。

 まずはショッピングモールを散策して、お昼を食べて、
海に向かった。

 お出かけのメインは、表向き、モール散策がメインだったが、
本当のメインは、海だった。
彼も娘も、ゆうきと同じ思いだったのではないか、今になって思う。
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 久々の海は美しかった。
久々の海は潮騒が心地よかった。
久々の海は良い香りがした。
風が髪をなびかせ視界を遮る。
久々の海風はあまりに気持ちよかった。
大きく深呼吸した。
海の味がした。
久々の海は、五感に、そして心にも優しかった。

 今年は、海に行けないまま、夏が終わるのかと思っていた。

 行って来られて、本当によかった。
身も心も十二分に満たされた。

 今年の夏に思い残すことはない。

 海まで連れて行ってくれた彼に感謝
両親に付き合ってくれた娘に感謝。
運命にも感謝だ。

 

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2024年8月23日

危ない!

 1週間ほど前のこと
夜8時少し前、ゆうき一家は車で帰る途中だった。
運転していたのは彼で、ゆうきは助手席に娘は後部座席にいた。
諸事情で帰りが遅くなった。
まだ買い物が済んでいなくて、少し焦っていた。

 早く帰らなきゃ・・・・・
明日も仕事だ。朝が早い。
今夜中に済ませておきたいことがいっぱいある。
ゆうきだけでなく、彼や娘も同じ風に思っていたはずだ。

 車は林道を走っていた。
建物は木々の向こう側にあり灯は通りまで届かない、街灯もまばらだ。
車のライトだけが頼りな道である。
目を凝らし神経をとがらせ・・・・・・
と、突然、彼が急ブレーキを踏み叫んだ。
「あっ~!」
何事かと思った。
目を見開いた。
車のライトが、目の前を横切る何かを捉えていた。
「鹿だ!」
今度はゆうきが叫んだ。
鹿は2頭いた。
子供の鹿なのだろう。
体が小さく足が細かった。
驚いたのは、むしろ、鹿の方だったのかもしれない。
動きが止まり、車の方をジッと見つめていた。
震えているように見えた。
怯えているように見えた。
車が止まると
安心したのか、反対車線側の林へと走り去った。
わずか数秒の出来事だった。
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 もしも、ブレーキを踏むのがコンマ1秒でも遅かったら・・・・・
今度は人間達が震えた。

 鹿と遭遇した場所は
確かに田舎道ではあるが、山奥ではない。
林の向こう側は大きな病院で、目と鼻の先に県立の学校があり支援学校があり、住宅街もある。

「まただね・・・・・」
ゆうきがつぶやいた。

 鹿と遭遇したのは初めてではない。

 以前はキツネと遭遇した。
熊が出没するとの情報もある。
その他諸々、多くの生き物が生息しているらしい。

 危ない目に遭う人続出地点だ。

 気が抜けない地点だ。

 かわいいだけでは済まされない
野生の生き物との共存。

 人間の側が気をつけるしかない。

 彼は黙ってハンドルを握っていた。
娘もゆうきも黙っていた。
車中になんとも表現しがたい空気が流れた。

 鹿と遭遇した場所は、ほとんど毎日通る
生活路と言っても過言ではない。

 今日も気が抜けない。

 また、何か目の前に飛び出してくるかもしれない。


 

 

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2024年8月21日

落ちない

 リンゴの木に実を見つけたのは、夏の初めの頃。
最初は小指の先ほどしかなかった。
緑色でいかにも固そうだった。
順調に大きくなると良いなって思った。
綺麗に色づくと良いなと思った。
そのままの場所で、夏を超えられると良いなと思った。

 今年の夏は猛暑で、外に存在するリンゴの木にとって過酷な環境だった。
日照りの日が何日続いただろう。
雨はなかなか降らず、ようやく、雨が降ったと思ったら
地面を叩きつけるような豪雨だった。
雷が鳴った。
風が強く吹いた。
ゆうきは心配になった。
リンゴが腐ってしまうのではないか。
リンゴが地面に落ちてしまうのではないか。
毎日、リンゴの木のそばに佇み、リンゴの実の無事を確認する日々が続いた。

 数え切れないほどの日照り、いくつかの雨、いくつかの雷、いくつかの突風。
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 リンゴは無事だ。
かなり大きくなった。
綺麗に色づいた。

 先日の台風にも耐えてくれた。

 日照りに耐え、豪雨に耐え、強い風や雷にも耐え、台風を乗り切ったリンゴ達は、
心なしか誇らしげに見える。

 リンゴに太陽の陽差しが。

 リンゴは輝く。

 

 

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2024年8月19日

台風一過

 台風が過ぎ去った朝、
見事なまでの青空が広がった。
雲ひとつない空だった。
夏富士が、四方の山々が、木々が、家々の屋根が
青空に映えていた。
あまりに美しい空だった。
息を呑むほどだった。
写真を撮ろうとしたのだが・・・・・
彼が出勤する時間が迫っていた。
朝ご飯を準備して、お弁当を詰めて
バタバタとしている間に、
お空は快晴じゃなくなった。
つかの間の快晴。
気がついたときには
お空は雲でいっぱいだった。
台風一過の日、お空の変化はあまりに著しかった。

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 特にこれといった被害を残すことなく台風は去った。
お庭の様子はいつもと変わりない。
実家の畑の様子もいつもと変わりない。

 非常に強い台風だから、警戒していたのだが
ホッとするやら、拍子抜けするやらだ。

 台風シーズン到来。
次なる台風もうまく逸れてくれたならば喜ばしい。

 ところで、
ゆうきは「台風一過」を「台風一家」だと
勘違いしていた。かなり大きくなるまで。
昔々の話である。

 

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